今日は金曜日。ということで、いつも通り古書会館へ。
でも、何にも無いなあ。
何も買わずに帰るというのもあれなので、小酒井不木全集の端本を二冊つかんで、会場をぶらぶらして、さらに何冊か購入。
購入したのは
小酒井不木全集 第一巻」(改造社)300円
小酒井不木全集 第二巻」(改造社)300円
メグレ警視のパリ」長島良三(読売新聞社)200円
「私のミステリーノート」各務三郎読売新聞社)200円
推理小説への招待」荒正人中島河太郎編(南北社 カバ欠)200円
英米新進作家集」牧逸馬訳(改造社)200円

あとは神保町をぶらぶらして
「クイーンズコレクション 1」エラリークイーン編(ハヤカワミステリ文庫)100円
「クイーンズコレクション 2」エラリークイーン編(ハヤカワミステリ文庫)100円
を買って帰宅。

小酒井不木全集に手を出してしまった以上揃えなくてはいけない、と思ってしまうのは仕方が無いよなあ。まあそのうち揃うでしょう。

あとはすることも無く、家で本を読んだりごろごろしたりして時間をつぶす。
今日は二冊読了。
「The Missing Link」Katherine Farrer(Penguine Books)
久々に原書を読み終えた。ちょうど一週間くらいで読んだ計算になるから結構いいペースで読めたと思う。それにしても、ペンギン版は字組みが細かくてなかなかページをめくれない。たしかに原書を読むならハードカバーでゆったりと読みたいというのはわかる。
内容は、といえばタイトルだけ読むとミッシングリン物と思ってしまうが、実際のところリンク家の赤ん坊が行方不明になりそれを探偵が捜索するというお話。つまり「消えたリンクちゃん」とでも訳せるということ。
世界ミステリ作家事典<本格派編>に掲載されている作品だが大して本格しているわけではなく、何となく探偵が話の流れに乗っかってあちらこちら動き回って最終的に大団円となる話で、伏線がどうこうという論議の対象にはならない。
しかし、赤ん坊の隠匿場所、そして動機の面では、非常におもしろく、この一発ネタのみが作品を支えているともいえよう。ひょっとして海外ミステリには○○(これはネタバレになるので伏せる)がからむ作品というちょっとした系統でもあるんじゃないの?とも勘繰りたくなるような真相であった。

姿三四郎富田常雄よしだまさし(本の雑誌社
うーむ、おもしろい。もちろん、富田常雄自体に絡む細かいエピソードも面白いのだが、当時の大衆作家にまつわるエピソードもかなり面白い。山手樹一郎の名で山本周五郎が書いていたことがあるなんて、ちょっと驚きである。
著者自身が調査を進めていく過程もまた面白いねー。やっぱり古本者の話って読んでて居心地がいいや。一気読みしてしまいました。よしださんとは少しだけ知り合いだったりするので、いつの間にこんなに調査していたんだ?という驚きもあった。それにしても自分だけのお気に入り作家がいるっていいなあ。